- 両親の援助を有効に使いたい
- 贈与税の回避方法、手順を知りたい
- いくらまで援助して大丈夫なのかわからない
家を購入するとき、両親からの援助を受けられると心強いですよね。しかし、大きな金額を受け取ると心配なのが「贈与税」です。
実は、住宅取得に関しては特別な非課税制度が設けられており、正しく使えば贈与税を回避できます。本記事では、2025年の最新制度に基づいて、贈与税の仕組みと免除の方法をわかりやすく解説します。
贈与税の簡単な仕組み

贈与税とは、個人から金銭や財産などを「無償で受け取った」際にかかる税金です。通常、年間で一定額以上(2025年時点では110万円)を超える贈与を受けると、その超過分に対して贈与税が課されます。
親から300万円を受け取った場合、非課税枠の110万円を超えた190万円に対して税金がかかります。
ただし、税率は贈与金額や贈与者との関係によって変動します。親子間の場合は比較的優遇されていますが、高額な贈与には注意が必要です。
贈与税の回避方法【暦年課税制度と相続時精算課税制度】

贈与税を合法的に回避するためには、2つの課税制度を活用するのがポイント。「暦年課税制度」と「相続時清算課税制度」です。
どちらの制度を使うかは家庭の事情によって異なるため、専門家への相談も視野に入れましょう。
暦年課税制度
1年ごとに非課税枠(110万円)を利用して、複数年にわたって贈与を受ける方法。計画的に贈与すれば、税金をかけずに財産を移すことが可能です。
相続時精算課税制度
60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子や孫が贈与を受ける場合、累計2,500万円まで非課税になる制度です。将来の相続時に合算して精算されますが、贈与時点では税金がかかりません。
お家づくりの特別制度【住宅取得資金の贈与税の非課税特例】

住宅購入に関しては、さらに特別な非課税制度があります。それが「住宅取得資金の贈与税の非課税特例」です。これは、親や祖父母からの援助で住宅を取得する場合、一定の金額まで贈与税がかからない制度です。
2025年の時点では、以下の非課税枠が設けられています。
省エネ等住宅:最大1,000万円まで非課税
その他の住宅:最大500万円まで非課税
この特例を受けるためには、住宅の性能や入居時期、契約日などに条件があります。建築予定の住宅が省エネ基準を満たしているかどうか、事前に確認しておきましょう。
失敗しないポイント

贈与税の特例申請を成功させるには、次のポイントを押さえることが大切です。
- 契約日と入居日を確認する
- 住宅の性能証明を忘れない
- 贈与の事実を明文化する
- 早めに専門家に相談する
契約日と入居日を確認する
非課税枠は契約日・入居時期によって適用額が異なるため、スケジュールの把握が重要です。
住宅の性能証明を忘れない
省エネ住宅などの対象には、「住宅用家屋証明書」や性能評価書の提出が必要です。
贈与の事実を明文化する
家族間のやり取りでも、贈与契約書や振込記録など、証拠をしっかり残すことが信頼性につながります。
早めに専門家に相談する
税理士や住宅メーカーのファイナンシャルプランナーと相談しながら進めると安心です。
注意すべき落とし穴

贈与税の非課税特例にはいくつかの“落とし穴”があるため、見落としに注意しましょう。
- 住宅の名義に注意
- 使途不明の資金はNG
- 確定申告しないと全額課税
- 他の贈与と混同しない
住宅の名義に注意
贈与された資金で家を買っても、登記名義が子どもでなければ特例の対象外になることがあります。持分割合にも注意。
使途不明の資金はNG
援助金の使い道が住宅取得以外(車・家具など)と判断されると、非課税の対象外になる場合があります。
確定申告しないと全額課税
非課税制度は申告が前提です。たとえ条件を満たしていても、申告を忘れると通常の贈与税が課されてしまいます。
他の贈与と混同しない
教育資金・結婚資金などの他の贈与特例との併用には制限があります。併用予定がある場合は要確認。
必要書類をチェック

この非課税特例を受けるには、確定申告時に以下の書類を提出する必要があります
- 贈与を受けた人の戸籍謄本(親子関係の証明)
- 住宅取得資金の贈与契約書または送金記録
- 登記事項証明書・売買契約書・請負契約書の写し
- 住宅用家屋証明書(省エネ住宅であれば必須)
- 確定申告書および非課税特例に関する明細書
書類の不備があると非課税が適用されない可能性があるため、早めの準備が大切です。
確定申告のやり方(贈与税特例用)

住宅取得資金の贈与税の非課税特例を受けるためには、贈与を受けた翌年に税務署で確定申告を行うことが必須です。申告を忘れると、非課税が適用されないので注意しましょう。
【申告の流れ】
前項を参照に必要書類を集めましょう。
「贈与税申告」から入力スタート
該当のチェック項目にマークを入れ、金額や書類内容を入力
提出期限は贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日
マイナンバーカードを活用すればe-Taxでの申請がスムーズに行えます。
まとめ

両親からの援助を受けて住宅を取得する際、贈与税を気にせずに済む制度が整っている2025年。
- 贈与税の仕組みと課税制度を理解する
- 特例の対象となる条件を事前に確認する
- 必要書類を確実にそろえて確定申告を行う
この3点を押さえれば、贈与税の負担なく、安心して家づくりが進められます。早めの情報収集と計画が、家族にとって最良の選択につながります。