- お家を建てたいけど、資金計画が不安
- 受け取れる優遇制度など、漏れがないか心配
- 年収が高くなっても税金の負担で手取りが少ない
マイホームは多くの方にとって人生で最高額のお買い物。今まで見たことがない金額に尻込みしてしまう人も多いのでは。
実は「住宅ローン控除」をうまく活用すれば、家を建てても“手取り”が増える可能性があります。
本記事では2025年の制度改正を踏まえ、住宅ローン控除の仕組みから条件、必要書類までをわかりやすく解説します。
住宅ローン控除とは支払った税金が戻ってくる制度

住宅ローン控除とは、一定の条件を満たして住宅を購入または新築した場合に、年末のローン残高の一定割合が、所得税・住民税から差し引かれる制度です。
つまり、「税金を払いすぎていた分が戻ってくる」制度で、家計にとって大きな助けになります。
年末ローン残高が3,000万円、控除率が0.7%の場合、年間で21万円が還付される仕組みです。控除期間は最大13年間(一定条件あり)と長く、ローンを組んで住宅を取得した人には非常にメリットの大きい制度です。
住宅ローン控除を受ける条件は6つ

住宅ローン控除を受けるには、次の6つの条件を満たす必要があります。
- 自ら居住するための住宅であること
- ローンの返済期間が10年以上であること
- 取得後6か月以内に入居し、控除適用年末まで継続して住んでいること
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 登記簿上の床面積が50㎡以上
- 直近2年以内に不動産に関する税制優遇制度を受けていない(3,000万円特別控除、買い替え特例など)
これらをすべて満たしていないと控除は適用されないため、家を建てる前に必ず確認しておきましょう。
住宅の性能によって受け取れる金額が違う

住宅ローン控除では、「住宅の性能」によっても控除の限度額が変わります。
省エネ性能が高い「認定長期優良住宅」や「ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の場合、控除対象となるローン残高の上限が引き上げられます。
2025年時点では、一般住宅の控除対象上限は3,000万円ですが、高性能住宅は最大5,000万円まで対象になるケースも。つまり、同じ金額の家を建てても、性能によって戻ってくる金額が大きく変わるのです。
長期的に見ると、性能の良い住宅の方が家計にも環境にも優しい選択となります。
住宅ローンの必要書類をチェック

住宅ローン控除を受けるには、確定申告の際にいくつかの書類が必要です。事前にしっかり準備しておくことで、スムーズに手続きが進みます。主な必要書類は以下の通り。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 確定申告書
- 住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から送付)
- マイナンバーカード
- 源泉徴収票
- 登記事項証明書(建物・土地)
- 住宅用家屋証明書
- 建築工事請負契約書の写し
- 売買契約書(土地を新規購入された方のみ)
- 長期優良住宅認定通知書の写し(長期優良住宅の場合のみ)
初年度はやや手間がかかりますが、これを乗り越えれば2年目以降は会社の年末調整で手続きが完了します。忘れずに期限内に申告しましょう。
よくある質問(FAQ)

損しないためのポイント

住宅ローン控除で損をしないために、注意するべきポイントは以下の4点。
- 条件を事前にチェック
- 性能が高い住宅を選ぶ
- 確定申告は必ず初年度に
- 資金計画に控除分を組み込まない
条件を事前にチェック
控除の対象にならない条件(床面積・入居時期など)に当てはまらないかを必ず確認しましょう。
性能が高い住宅を選ぶ
同じ費用でも高性能住宅の方が控除額が大きくなります。建築前に長期優良住宅やZEHの取得を検討するのがおすすめです。
確定申告は必ず初年度に
控除のスタートには確定申告が必須。提出期限を過ぎると、1年分の控除が無効になることもあるため注意しましょう。
資金計画に控除分を組み込まない
控除による還付はあくまで“後から戻るお金”。無理な返済計画を立てず、確実に受け取ることを前提に考えましょう。
確定申告のやり方(初年度のみ必要)

住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に1回だけ「確定申告」を行う必要があります。手続きを正しく行えば、その年の所得税から控除され、余剰があれば住民税にも適用されます。以下の手順で進めましょう。
STEP1:必要書類を揃える
必要書類は先述の以下10点です。半日あれば十分集まります。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 確定申告書
- 住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から送付)
- マイナンバーカード
- 源泉徴収票
- 登記事項証明書(建物・土地)
- 住宅用家屋証明書
- 建築工事請負契約書の写し
- 売買契約書(土地を新規購入された方のみ)
- 長期優良住宅認定通知書の写し(長期優良住宅の場合のみ)
STEP2:国税庁の「確定申告書作成コーナー」で入力
確定申告書はWebサイトから簡単に作成可能。必要項目を入力すれば、自動で計算されます。e-Tax(オンライン提出)または書面での郵送・税務署への持参も選べます。
提出は2月中旬~3月15日まで(毎年異なる場合あり)
初年度にこれを行えば、2年目以降は会社の年末調整で控除が自動適用されます。
- 提出期限を過ぎると、その年の控除が受けられなくなることがあります。
- 控除のためだけに確定申告をする場合でも、税務署の混雑が予想されるため、早めの準備が安心です。
e-Taxの使い方|住宅ローン控除をオンラインで申請する手順

確定申告書をオンラインで提出できる「e-Tax」は、自宅にいながら申請できる便利な方法です。住宅ローン控除の申請も、初年度からe-Taxで完結できます。手間を減らしたい方には特におすすめです。
e-Taxを使う前の準備
e-Taxを利用するためには、マイナンバーカードが必要です。カードリーダーを用意する方法もありますが、マイナポータルを登録しておく方がオススメ。
住宅ローン控除申請の流れ(e-Tax)
「住宅ローン控除あり」を選択して進めます。
源泉徴収票、住宅ローンの残高証明書、契約書などを見ながら入力。
カードリーダーまたはスマホで本人確認を行います。
送信後、受信通知が届きます。控えはPDFで保存できます。
まとめ

2025年版の住宅ローン控除制度は、家を建てる人にとって非常に大きなメリットがあります。
- 支払った税金が戻ってくることで、実質的な「手取りアップ」が可能に。
- 条件を満たせば、最大13年間にわたり控除を受けられる。
- 住宅の性能によって控除額に差が出るため、設計段階からの検討が重要。
- 必要書類は確定申告前にしっかり準備しておくことが大切。
制度を正しく理解し、早めに準備することで、無駄なくお得にマイホームを手に入れましょう。